|
テーマ:イタリアの美味しい話(706)
カテゴリ:イタリアの「食」・旨い話
イタリアのマンマっていうと、ついついガハハ系マンマを想像しちゃいますが
エミリアーノのマンマは、とっても静かでおっとりしていて可愛らしい人です。 パパも寡黙でとってもやさしくて、お似合いのお2人。 こんなご両親の元で育ったエミリアーノが まだ若いのに落ち着いていてしっかりしていて親思いなのが 彼らに会ってみてよくわかりました。 ある日、ヴァストの街のココは美味しいというパスティッチェリア(お菓子屋さん)に エミリアーノが連れて行ってくれました。 どのケーキも大きさがフィレンツェの1.5倍あるのにビビリながらも トレーにてんこ盛りになるまで買いこんでお家に持って帰りました。 この日もマンマの美味しい昼食をいただいた後、 さてデザートをいただこうとテーブルの上に買ってきたケーキを広げると いつもおっとりのマンマの目がキラリと違う輝きを放ちながら、ある一点に集中しておりました。 視線の先を追ってみると...チョコレートシュークリームです。 「さぁさぁ、みんな好きなの選んでね。マンマは?」とエミリアーノ。 「じゃぁ、私はコレ。」 と、いつもより幾分素早い動きでチョコレートシュークリームをゲットし 可愛くウフッと笑ったマンマの顔を、私は忘れることはないでしょう...。 そんなマンマが作るパスタフレスカをご紹介。 材料は、セモリナ粉と水のみ。 分量は、適当でございます。 おもむろにパスタをこね始め、 生地を休ませることもなくめん棒で延ばし始めたマンマ。 粉は500gほど、水は適当にこねながら調整して入れただけです。 彼女の手の感触だけが頼りです。 打ち粉をして、めん棒に巻きつけては中心から外側へと手を動かして延ばし みるみるうちに生地は巨大になっていきました。 ちなみになんて粉使っているの? DivellaってよくCMで見るブランドですね。 フィレンツェではあまり見かけませんが。 これで作ると美味しいのだそうですよ。 フィレンツェ近郊に住む親戚達は、みんな買って帰るとか。 セモリナ粉をしげしげと見ている間に 瞬く間に切り分けられたパスタ達。 あら~、マルタリアーティのようなパスタなんですね。 中華で例えるならワンタンのようです。 傍らでは、あのフレッシュトマトで作ったソースがグツグツと煮込まれております。 う~、楽しみ~。 待つこと数分。 ハイ、出来たわよ~。 ハ~イ。 テーブルについて、お待ちかねのパスタがやってきました。 TACCONELLAと呼ばれるこのパスタ、どんなお味なのかしら? おぉぉぉ。 やっぱりフレッシュトマトでこの赤さってスゴイですな。 Buon appetito! チュルリン...。 なんて喉越しの良いパスタなんでしょう。 アーリオ、オーリオ、バジリコだけで煮込んだ シンプルながら深い味わいのトマトソースに包まれて スルリと喉を滑っていきます。 程よく感じられる歯ごたえは マンマの水加減と微妙な厚さに伸ばすテクニックから生まれるのでしょう。 こちらの人は生の唐辛子をお皿の上で切って パスタにかけていただきます。 すこし南に位置していると、唐辛子文化が健在なのですね。 トスカーナの人は、あまり辛いもの食べられませんからね。 私も試しに唐辛子をかけてみたら それほど辛くなくて、辛味よりもむしろ旨みが感じられて 食が進んじゃって危険なスパイスでございました。 しかし、このパスタ、初めて食べるのになぜか懐かしいお味でした。 どこか日本のにゅうめんを思わせるというか シンプルな名古屋のきしめんを思い起こさせるというか...。 ホッとさせてくれる温かみのある美味しさでした。 まったりした後、唐辛子の手であることを忘れて みんな鼻だの目だの触っちゃって、後でみんなでヒリヒリ泣きました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[イタリアの「食」・旨い話] カテゴリの最新記事
|
|